Fascination 98 （パワーアンプ） [完成品] 【受注生産品・通常納期約100日】 ※メーカー直送

欧州古典3極管PX25で解像感高く清冽な音を聴かせる。
瀟洒に整ったステンレス鏡面仕上げのシャーシも魅力

●コンセプト
　Fascination98は是枝重治氏が『管球王国』の「マイ・ハンディクラフト」企画で発表した欧州を代表する直熱3極管PX25のプッシュプル・モノーラルパワーアンプです。出力管PX25は戦後すぐに登場した稀少なヴィンテージ管のGEC製PX25を採用しています。欧州古典管ならではの典雅で清冽な音を引き出すアンプとして製作されました。

●使用パーツ
　GEC製PX25はコントロールグリッド以外にプレートに接続されたグリッドを持つ内部接続3極管で、当初のウィリアムソンアンプに採用された真空管です。本機の回路もウィリアムソンアンプがベースで、高周波用管ECC804によるPK分割型の位相反転の後、電子計算機用に作られた中μ管E180CCでプッシュプル構成の出力管PX25を駆動します。出力端から初段カソードへのNFBは軽微にとどめています。出力は9.5Wです。

　出力トランスは英国ダグナール製を採用。電解コンデンサーの使用を抑え、大容量フィルムコンデンサーの多用で音作りを図っています。シャーシは幅約35cm、奥行き約18cmとスマートなプロポーションで、トランスケースを含めてステンレス材の鏡面仕上げです。

●音質について
　是枝氏はFascination98でグッドマンAXIOM80を収めたデッカ・コーナーホーンを鳴らしています。その音は広帯域の最新録音であるほどに魅力を発揮して、艶やかで解像度が高いもの。現代のスピーカーとの組合せでも高い描写性能を示し、音楽に没入させる豊潤で伸びやかな音を聴かせました。ヴォーカルは甘みや渋みが零れ出すようで、管楽器の咆哮は旋律の躍動を感じさせて高い鮮度感を示します。

シャーシはステンレスの鏡面仕上げ。出力管の中央にパイロットランプが配されます。

内部は稠密な配線が施されます。写真左下がPX25フィラメント用のタレマ製トロイダル型電源トランスです。

リアパネル。RCAアンバランス入力1系統を装備。スピーカー出力端子は16Ω（黒／赤）と8Ω（黒／緑）を独立で装備します。リア側に配置される前段球は左がドライバー管のPHILIPS製E180CC、右が初段と位相反転段を構成するMAZDA製ECC804です。

出力管はGEC製ヴィンテージ管のPX25/CV1040（CV1040は軍用ナンバー）が付属します。