■レコードの発売当時から録音の評価の大変高かったマゼール盤のLP化
「ffss」(full frequency stereo sound広帯域ステレオサウンドの頭文字)のロゴで知られるデッカならではの優れた録音技術による鮮明かつダイナミック・レンジが広く立体的なサウンドと相俟って、アナログ時代に高い評価を得ていたLPサウンド、それをエソテリックによるこだわりのアナログ化で実現。今回のLPではリマスタリングによる鮮やかで目の覚めるような音はそのままにアナログならではの、さらなる魅力も再現できるよう心がけました。
交響曲 第1番 ホ短調 作品39
Symphony No.1 E minor, Op.39
Side A
1. 第1楽章: Andante-Allegro energico
2. 第2楽章: Andante
3. 第3楽章: Scherzo
Side B
1. 第4楽章: Finale (Quasi una fantasia)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
■発売日:2025年11月15日
■品番:ESLD-10011
■仕様:LP 180g重量盤
■JAN:4907034225958
■レーベル:DECCA
■音源提供:ユニバーサルミュージック合同会社
■ジャンル:交響曲・管弦楽曲
■厚紙シングルA式ジャケット
■企画・販売:エソテリック株式会社
若きマゼールがウィーン・フィルを駆り立てて、先鋭・緻密に描き出すシベリウスの熱いドラマ
■レコードの発売当時から録音の評価の大変高かったマゼール盤のLP化
「ffss」(full frequency stereo sound広帯域ステレオサウンドの頭文字)のロゴで知られるデッカならではの優れた録音技術による鮮明かつダイナミック・レンジが広く立体的なサウンドと相俟って、アナログ時代に高い評価を得ていたLPサウンド、それをエソテリックによるこだわりのアナログ化で実現。今回のLPではリマスタリングによる鮮やかで目の覚めるような音はそのままにアナログならではの、さらなる魅力も再現できるよう心がけました。
■ヴァイオリニストとしても輝いていた10代のマゼール
2014年に亡くなった巨匠ロリン・マゼール(1930-2014)は、1950年代からヨーロッパを中心に活躍した最初のアメリカ人指揮者でした。生まれたのはフランスのパリ近郊、幼時に帰国してロス・アンジェルスとピッツバーグで5歳からヴァイオリン、7歳からピアノと指揮を学び、1939年にニューヨークの世界博でインターロッケン・アーツ・センター管弦楽団を指揮して神童と評判になり、NBC交響楽団やクリーヴランド管弦楽団など各地のオーケストラに招かれた後はヴァイオリンに専念します。彼のヴァイオリンの腕前は指揮&ヴァイオリン奏者として長年行なってきたボスコフスキーの後任として1980-1986年までを、その後も4回、計11回もウィーンの新年を彩るニューイヤー・コンサートを担当したことからもうかがえるというものです。
■切れ味鋭い30代初頭のマゼールの圧倒的な輝かしさ
18歳からピッツバーグ交響楽団にヴァイオリン奏者として入団して副指揮者も務め、1953年の年末、シチリア島のカタニアで急病の指揮者の代役でデビュー、そこで成功をおさめたマゼールは。1954年からイタリア各地で活躍、1955年からはスカラ座のコンサートとウィーンにもデビュー、1960年にはロンドン、また《ローエングリン》でバイロイト音楽祭に史上最年少の指揮者としてデビューを飾ります。1964年にベルリン放送交響楽団の音楽監督に就任、翌年からベルリン・ドイツ・オペラの音楽監督も兼任、まさに順風満帆、飛ぶ鳥を落とすかの勢いがあった時代に本作は収録されました。
1963年、33歳の時にウィーン・フィルと録音した当アルバムは、マゼールの鋭敏な感性と刺激に満ちた解釈を刻印した名盤として知られています。またこれは、マゼールとウィーン・フィルとの初録音で、1962年にイスラエル・フィルとの録音で開始されたマゼールのデッカ録音の最初期の記録です。若きマゼール、その華麗なキャリアをスタートさせた時期の溌剌たる記録がここに記されています。
■ウィーン・フィルの特徴的な響きを生々しく捉えたアナログ録音
デッカの常駐ホールだったウィーンのゾフィエンザールで行われたセッションは、プロデューサーのジョン・カルショウと録音エンジニアのゴードン・パリーが担当し、ウィーン・フィルの特徴的な響きを生々しく捉えています。ちなみにこのシベリウスの交響曲第1番はジョン・カルショウが担当した唯一の交響曲第1番であり、この作品の後にも彼はこの曲の制作は一切行なっていません。ケルテス指揮のドヴォルザーク《新世界より》と同様に、血気盛んな若手指揮者が老舗のオーケストラにエネルギーを注入し、リヴァイヴさせてゆくさまが見事に記録されています。中でも第3楽章スケルツォの大胆なティンパニの打ち込みや、第2楽章のじっくりとしたクライマックスの築き方などは、若き日のマゼールの面目躍如たる鮮やかさ。ちょうど並行して録音されたチャイコフスキーの交響曲全集とともに、1960年代のマゼールの颯爽たる指揮ぶりを今に蘇えらせてくれます。
この2曲の録音は、マゼールが初来日する1963年に《フィガロの結婚》でデビューを飾ったザルツブルク音楽祭の前後に行われましたが、とりわけ第1番はやや遅めのテンポながらウィーン・フィルならではの洗練された豊潤な響きと多様な表現力を充分に生かした緊張感みなぎる演奏がすばらしく、若かりしシベリウスとマゼールの覇気と情熱が結晶したかのような迫力が伝わってくる名演です。 今回は、国内盤としては1979年以来約46年ぶりのアナログレコードでのリリースとなります。オリジナルマスターより「Esoteric Mastering」にて、新たにアナログレコード専用のマスタリングを行いました。入念に調整されたESOTERICの最高級機材Master Sound Discrete DAC と Master Sound Discrete Clock、MEXCELケーブルを惜しげもなく使用し、徹底して高音質化を目指したマスターを作成しました。
アナログ・カッティングは、ミキサーズラボ社にて、アナログ最盛期の名機、ノイマン社製カッティング・レースVMS80を使用しました。同機は西ドイツで製造され、現在日本国内では2台しか稼働していません。ミキサーズラボ社のご協力を得て、カッティングルームに「Esoteric Mastering」の機材を持ち込み、出力をノイマン社製カッティング・コンソールSP79Cにダイレクトに接続。コンソールのイコライザーを使わずに、「Esoteric Mastering」サウンドをそのまま、カッティング工程へ送り込みます。
カッティングは、ミキサーズラボ社のカッティング・エンジニア 北村勝敏氏。匠の手腕をマスター盤に注ぎ込んで頂きました。現在では、レコード・プレス用のマスター盤カッティングのみで、試聴のためだけにラッカー盤をカッティングする事は稀ですが、エソテリックでは音質を追及するため、コンソールへの伝送方式を変えながら複数のラッカー盤を作成しました。作成した複数のラッカー盤は、エソテリック・マスタリング・センターへ持ち帰り、ESOTERICのアナログターンテーブルGrandioso T1で試聴・音質確認を行い、最適な伝送方法を決定しています。
徹底してアナログの音にこだわりを込めて作成し、オリジナルマスターのもつ情報を伸びやかなサウンドでアナログレコード化することに成功しました。
交響曲 第1番 ホ短調 作品39
Symphony No.1 E minor, Op.39
Side A
1. 第1楽章: Andante-Allegro energico
2. 第2楽章: Andante
3. 第3楽章: Scherzo
Side B
1. 第4楽章: Finale (Quasi una fantasia)
「カレリア」組曲 作品11
Karelia Suite, Op. 11
2. Ⅰ.間奏曲(モデラート) Intermezzo (Moderato)
3. Ⅱ.バラード Ballade
4. Ⅲ.行進曲風に Alla marcia
ロリン・マゼール指揮
Conducted by Lorin Maazel
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
Vienna Philharmonic Orchestra
[オリジナル・レコーディング]
[録音] 1963年9月(Symphony)、1963年3月(Suite)、ウィーン、ゾフィエンザール
[オリジナル/プロデューサー] ジョン・カルショウ
[オリジナル/レコーディング・エンジニア] ゴードン・パリー
[LP初出] DECCA SXL-6084 (1964年)
[日本盤LP初出] LONDON SLC-1316 (1964年)
[アナログレコード]
[リマスター]2025年6月 エソテリック・マスタリング・センター「Esoteric Mastering」システム
[プロデューサー]大間知基彰(エソテリック・マスタリング・センター)
[アソシエイト・プロデューサー]吉田穣(エソテリック・マスタリング・センター)
[リマスタリング・エンジニア]東野真哉(エソテリック・マスタリング・センター)
[カッティング・エンジニア]北村勝敏(株式会社ミキサーズラボ)
[解説]浅里公三
[企画・販売]ティアック株式会社
[企画・協力]東京電化株式会社