---

---

【音の魅力】かつて聴いたことのない、伸びやかで自然なカレンの歌声が心に響きます！

　2014年6月2日に発売された季刊ステレオサウンド191号で、音のいいソフトにめっぽう詳しい嶋護氏が「一片の躊躇もなくマストバイと断言する」と評価した、カーペンターズ　シングルス1969-1973。豪華・美麗パッケージともあいまって、発売開始となるやいなや、あっという間に売り切れとなった作品です。そんなアルバムが、このほど3,000円という破格の標準パッケージ版となって帰ってきました。

　2014年発売の豪華版との違いは、美麗豪華・紙製ジャケット+ディスクホルダー付ボックス仕様が一般的なプラケースになったこと、そしてミニチュアブックレット、ミニチュア告知シールなどが省かれている点。使われているマスターや、ディスクの素材や仕様について、変更はありません。

　本作では、かのバーニー・グランドマン(マスタリングエンジニア)とリチャード・カーペンターによってリマスタリングが行なわれており、正統的なオリジナルミックスを、かつてない素晴らしい音質で楽しむことができる一枚です。

　最初にこのSACDの音を聴いて感じるのは、頭打ち感のない伸びやかなサウンドということ。もちろん、40年以上も前の録音であり作品ですから、広大なダイナミックレンジを感じさせるような現代のハイファイサウンドとは異なりますが、力強いなかにも叙情的でデリケートな味わいを含むヴォーカルの魅力が伸びやかに表現されています。オーディオソースとしては、もともと独特なサウンドですが、本作では音が加工されているという印象はかなり後退。カレンならではの、憂いと滋味あふれる歌声が、あなたのオーディオシステムからとても自然にながれてくることでしょう。

　収録されている曲は、どれも耳なじみのあるヒット曲ばかり。タイトル通り、1969年から1973年の間に、世界的ヒットとなった12曲が宝石のごとくちりばめられています。

　同梱のブックレットには、日本語に訳された全曲の歌詞と、各曲の解説や制作エピソードなどが記されており、作品ひとつひとつをじっくりと味わいながら聴きこんでいくことが可能です。なお本作は、カレン存命中に発表された、唯一のオフィシャルベスト盤とされています。