J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲

J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 (CD/SACDハイブリッド)

販売価格 ¥ 4,000 税込
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グスタフ・レオンハルト(チェンバロ)

■発売日:2024年3月16日
■品番:ESSW-90290
■仕様:Super Audio CD ハイブリッド
■JAN:4907034225378
■レーベル:Warner Classics (旧Telefunken)
■音源提供:株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
■ジャンル:器楽曲
■DSD Mastering
■Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ
■美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用
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雄弁に研ぎ澄まされ躍動するチェンバロ本来の音楽美を伝えたグスタフ・レオンハルト2 度目の「ゴルトベルク」、待ちに待った新規リマスターで世界初Super Audio CD ハイブリッド化。

■20 世紀録音再生技術の進化の恩恵を受けた古楽復興の牽引者
 第2 次大戦後の音楽の潮流の一つとして、バロックからルネサンスへと時代を遡った音楽の、それもそうした音楽が作曲された当時のオリジナル楽器やその複製と当時の演奏様式を使った原典復古主義の演奏が本格的に展開されるようになりました。こうした「古楽復興」の動きを強く後押ししたのが、テープ録音の開始、LPレコードの開発、そしてステレオ時代の到来という20 世紀の録音再生技術の急速な進化でした。原音を忠実に記録できることで、オリジナル楽器の繊細微妙な音色の魅力を家庭のシステムで手軽に再現できるようになり、しかも実演では音量が小さく大きな会場での演奏に向かない楽器であっても、マイクで収録することでその音量の小ささが補われるようになったからです。こうしたレコードを介した「古楽復興」の動きは、ドイツ・グラモフォンのアルヒーフ・プロダクションやテレフンケンのダス・アルテ・ヴェルクといった専門レーベルの創設によって一気に加速していくことになります。この20 世紀後半の「古楽復興」の原動力となったのが、オランダの鍵盤楽器奏者・指揮者グスタフ・レオンハルト(1928-2012)でした。彼が同世代のニコラウス・アーノンクール(1929-2016)、フランス・ブリュッヘン(1934-2014)、アンナー・ビルスマ(1934-2019)らと開拓し、打ち立てた古楽の演奏哲学や研究内容、レパートリーは、コンサート活動・教育活動と並び200 枚に上るアルバム録音を通じて世界規模に広がって、音楽受容を実に豊かなものにし、現代に脈々と受け継がれています。

■「レオンハルトはバッハだ」と称賛された名手
 15 歳の時に父親が購入したチェンバロの音色に魅了されたレオンハルトは、バーゼル・スコラ・カントルムでチェンバロとオルガンを学び、1950 年に最高栄誉賞付ディプロマを得て卒業、同年ウィーン・デビューを飾っています。1952 年には若くしてウィーン音楽アカデミーで教鞭を執るようになりこの時期に早くもレコード録音を開始し、ソロではバッハのゴルトベルク変奏曲、「フーガの技法」の録音をヴァンガード/バッハ・ギルド・レーベルに残しています。1955 年からはアムステルダム・スウェーリンク音楽院でも教え始め、やがてここを拠点に広範な演奏活動を開始。1958 年にはテレフンケン、1962 年にはドイツ・ハルモニア・ムンディに録音を始め、両レーベルに膨大なディスコグラフィを築き上げることになります。音楽史について実に幅広く深い知見を有したレオンハルトゆえに、レコード録音も百科事典的な全曲録音ではなく、選び抜かれた作品が筋の通ったカップリングで1枚に盛り込むアルバム制作が基本でした。その中でバッハのチェンバロ作品に関してだけは、約20 年の歳月をかけてゆっくりと、複数のレーベルに主要作品を網羅するように継続的に録音しており、彼ならではの特別な、集中的な取り組みがなされていることが見て取れます。盟友のブリュッヘンは「レオンハルトはバッハだ」という名言を残していますが、レオンハルトは、作品の音楽面だけを捉えず、むしろ同時代の広範囲の文化・美術・建築・思想の動きの中で捉えることによって、はじめてその作品を純粋に現代へと蘇らせることができるというストイックな哲学を貫いたのでした。

■チェンバロでゴルドベルク変奏曲の魅力を伝える名盤
 レオンハルトが1965 年に彼にとって2 度目となるこのゴルトベルク変奏曲を録音した時点では、グレン・グールドによる同曲の革命的な録音が市場に出てすでに10 年近くが経っており、この曲もそれなりのポピュラリティを獲得しており、ステレオでも、チェンバロによる録音もヘルムート・ヴァルヒャ(エレクトローラ/EMI)、ラルフ・カークパトリック(アルヒーフ)、シルヴィア・マーロウ(米デッカ)、ジョージ・マルコム(オワゾリール)など複数が発売されていました。しかしそれらはいずれもレオンハルトより上の世代のチェンバリストばかり。その意味でも、アリアと30 の変奏を貫く論理性、各変奏のテンポ配分、リピートの有無など、あらゆる点が吟味されつくしたレオンハルト盤は、この作品の受容に大きな一石を投じるインパクトがありました。使用楽器は、J.D.ドゥルケン作のチェンバロ(1745 年アントワープ)をモデルに1962 年にマルティン・スコヴロネクによって製作された新しい楽器で、レオンハルトは1970 年代前半までバッハ作品の録音の多くにこの楽器を使用しています。

■「彼のような音楽家には出会ったことがない」
 不思議なことにこの重要な録音の録音場所やプロデューサー/エンジニアは不明で、録音年も長い間「不詳」「1965 年以前」とされていました。今回の発売で、ようやく日本盤でオフィシャルに「プロデューサー:ヴォルフ・エリクソン」「1965 年4 月28 日~30 日、ベンネブルック、改革派教会」と記載されることになります。一足先に活動を開始したアルヒーフ・レーベルや後発のセオン・レーベルと比較すると、テレフンケンのダス・アルテ・ヴェルク・レーベルはジャケット上への録音データに関する記載が少なく、詳細を把握できない録音も多く、レオンハルトのゴルトベルク変奏曲もそうした1 枚でした。2022 年に発売された「ニュー・グスタフ・レオンハルト・エディション」で、プロデューサーは当時ダス・アルテ・ヴェルクの制作を一手に担っていたヴォルフ・エリクソン(1928-2019)であったことが明らかにされました。オルガン製作を学び、1957 年にテレフンケンに入社したエリクソンは、戦禍を逃れて現存していたドイツ各地の教会の歴史的なオルガンを使ってカール・リヒターとバッハのオルガン作品の録音を担当し、オリジナル楽器で演奏することの重要性に気付きました。そしてエリクソンが中心となってテレフンケン内に古楽専門のレーベル、ダス・アルテ・ヴェルクを立ち上げたのです。エリクソンがレオンハルトに出会ったのは1961 年、小編成のアンサンブルによるバッハのチェンバロ協奏曲の録音セッションで、それ以来テレフンケン、そして1969 年にエリクソンが創設したセオン・レーベルや1989 年にソニークラシカルの古楽部門レーベルとしてやはりエリクソンによって創設されたヴィヴァルテ・レーベルに至るまで長らく協同制作を続けることになりました。レオンハルトについてエリクソンは「バロック音楽のエキスパートであり、バッハの音楽のもっとも偉大な解釈者。オルガンやチェンバロを弾くのみならず、アンサンブルのまとめ役としても卓越した才能を備えている。彼のような音楽家には出会ったことがないし、常にあれほどの高い水準を維持し、成功を収めているアーティストは知らない」とコメントしています。


収録曲
ヨハン・セバスティアン・バッハ
Johann Sebastian Bach

[1]-[32] ゴルトベルク変奏曲 BWV988
Goldberg-Variationen, BWV 988
(クラヴィーア練習曲第4 巻 アリアと30 の種々の変奏)
(»Aria mit 30 Veränderungen«: Klavierübung Teil IV)

グスタフ・レオンハルト(チェンバロ/J.D.ドゥルケンのモデル[1745 年アントワープ]によるマルティン・スコヴロネク製[1962 年ブレーメン])
Gustav Leonhardt, Cembalo
(Kielflügel von Martin Skowroneck, nach J. D. Dulcken)

[録音]1965 年4 月28~30 日 オランダ、Hervormde Kerk,Bennebroek
[初出]Telefunken SAWT 9474-A (1965 年)
[日本盤初出]Telefunken SR1054 (1967 年8 月)

[オリジナル・レコーディング]
[レコーデイング・プロデューサー]ヴォルフ・エリクソン

[Super Audio CD プロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD アソシエイト・プロデューサー] 吉田穣(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD リマスタリング・エンジニア] 東野真哉(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD リマスター] 2023 年11 月 エソテリック・マスタリング・センター、「Esoteric Mastering」システム

[解説] 浅里公三 矢澤孝樹
[企画・販売] エソテリック株式会社
[企画・協力] 東京電化株式会社


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