ブラームス:交響曲第2 番、大学祝典序曲、悲劇的序曲
ブラームス:交響曲第2 番、大学祝典序曲、悲劇的序曲

ブラームス:交響曲第2番、大学祝典序曲、悲劇的序曲 (CD/SACDハイブリッド)

販売価格 ¥ 4,000 税込
[ 36 ポイント進呈 ]

ピエール・モントゥー(指揮)
ロンドン交響楽団

■発売日:2024年3月16日
■品番:ESSD-90288
■仕様:Super Audio CD ハイブリッド
■JAN:4907034225354
■レーベル:DECCA(旧Philips)
■音源提供:ユニバーサルミュージック合同会社
■ジャンル:交響曲・管弦楽曲
■DSD Mastering
■Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ
■美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用
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名指揮者ピエール・モントゥー最晩年の滋味あふれるブラームス。
没後60 年を機にエソテリックならではのこだわりのリマスターが実現。


■20世紀を代表する名匠の一人
 ディアギレフ主宰のロシア・バレエ団とともにストラヴィンスキー「春の祭典」「ペトルーシュカ」、ラヴェル「ダフニスとクロエ」、ドビュッシー「遊戯」などを初演し、20世紀音楽史に輝かしい足跡を残すピエール・モントゥー(1875-1964)。生粋のパリジャンで、パリ音楽院を卒業後、ヴァイオリン奏者としてスタートしてオーケストラの内部から音楽を見つめ、さらに1911年には自らオーケストラを組織するほどの実行力と人気を兼ね備えていました。知己のあったラヴェル、ドビュッシーを始めとするフランス音楽全般はもちろんのこと、その長い生涯にわたってコンサート・オペラ両輪における欧米両大陸での広範な指揮活動を可能にした実に幅広いレパートリーを備えた国際人でもありました。最晩年の1963 年には日本を訪れており、19世紀生まれの巨匠の姿を日本の音楽ファンの脳裏に刻んでいます。録音歴も古く、1928年に創設されたパリ交響楽団とのSP 録音に始まり、1941年には米RCAの専属となり音楽監督を務めていたサンフランシスコ交響楽団との膨大な録音を開始。サンフランシスコ響から退任するころにはLP 録音が始まり、LP 時代に転じるとボストン交響楽団との録音が加わります。1950年代半ば以降、ステレオ時代の訪れとともに当時米RCAと提携関係にあった英デッカでロンドン交響楽団やウィーン・フィルとのヨーロッパでの録音が始まり、1964年に亡くなるまで継続的に録音が残されたのも幸運なことでした。

■86 歳でロンドン響の首席に就任
 健康に恵まれ、亡くなる直前まで現役を貫いたモントゥーが晩年に世界を驚かせたのは1961 年、86 歳という高齢でのロンドン交響楽団首席指揮者就任でした。しかも契約年数は異例の25 年という長さ。モントゥーは1957 年6 月、チャイコフスキー「眠りの森の美女」の録音でロンドン響と初共演して意気投合し、翌1958年6月には演奏会での共演が実現。その後定期的な録音セッションと演奏会での共演が続いて絆を深め、首席指揮者の就任へとつながったのでした。首席指揮者就任の最初のシーズンの最後には、オランダのフィリップスとアメリカのウェストミンスターへの録音セッションが新たに組まれ、モントゥー最晩年の至高の境地が刻みこまれることになりました。

■晩年の至高の境地を捉えたフィリップス録音
 1951 年に創設されたオランダのフィリップス・レーベルは、ステレオ時代が始まってLP レコードの需要が加速していく中で、アーティストやレパートリーを急速に拡大していきます。モントゥーとの録音契約もその一環で、1962 年6 月のチャイコフスキー「白鳥の湖」に始まり、1964 年2 月のラヴェル・アルバムまで3シーズンの間にLP にして5 枚+片面分の演奏が収録されました。そのうち1 枚半はモントゥーが戦前から所縁の深かったアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との録音で、残りはすべてロンドン響との録音でした。今回当シリーズで復刻するブラームスの交響曲第2 番ほかは、フィリップスとの契約での3 枚目のアルバムとなったもので、1962年11 月28 日から12 月1 日にかけて4 日間のセッションで収録されました。

■ブラームスの前で演奏したモントゥーの思い入れの深さ
 モントゥーは17 歳からフランスのジェローゾ四重奏団のヴィオラ奏者として活動しており、同団がウィーンに客演した折、ブラームス自身の前でその弦楽四重奏曲の1 曲を演奏したことがありました。その際ブラームスが述べた「私の音楽を的確に演奏できるのはフランス人のみなさんですね。ドイツ人は往々にして重々しく演奏しすぎるのです」という称賛の言葉をモントゥーは生涯忘れず、その時はドイツ語が喋れず作曲者自身と直接話せなかったことを悔やみながらも、「私は音楽を通じて彼と話すことができる。彼は私の愛であり理想だ」と、ブラームスの作品を繰り返し演奏し続けました。4 曲の交響曲はいずれもモントゥーの愛奏曲でしたが、特に第1 番と第2 番は、フランクの交響曲やベルリオーズの幻想交響曲、ベートーヴェンの第7 番、チャイコフスキーの第5 番・第6 番に次いで演奏回数が多く、モントゥーのトレードマークでもありました。しかし録音面では、交響曲第2 番が4 種類残されているだけで、ほかの交響曲はレコード録音が行われませんでした。それだけに、モントゥーがロンドン響とこの交響曲をロイヤル・フェスティヴァル・ホールで演奏した1 週間後にセッションで収録されたこのフィリップスへの録音は、モントゥーのディスコグラフィの中でも重要な1 枚といえましょう。

■生涯をかけた芸術の記録
 ブラームスの交響曲第2 番は、自然に沸き上がりよどみなく流れる曲想が特徴ですが、モントゥーはそれを実に自然に、しかもいぶし銀の音色で歌わせています。やや遅めの絶妙なテンポ、しなやかなメロディの抑揚、ブラームスらしく緻密に張り巡らされたモチーフの処理、そして高雅な表現に支えられたバランスの良さはまさに巨匠の技。意外なところで差し込まれるちょっとした溜めも絶妙で、左右に分けて配置された第1・第2 ヴァイオリンが音楽のディテールを鮮明に浮かびあがらせ、音楽の立体感を高めています。また第1 楽章提示部のリピートを励行しているのも19 世紀生まれの指揮者としては珍しいことで、2 回目には一層の情感がこもるのも古典の則から外れるとはいえモントゥーが作品にそそぐ愛情ゆえでしょう。演奏が枯れているわけではなく内燃する情熱も感じられ、特に終楽章のクライマックスでは、テンポを上げたりオーケストラを絶叫させたりせずとも実に深いドラマを感じさせてくれます。カップリングの2 曲の序曲も懐が深い名演で、20 世紀を代表する巨匠の生涯をかけた芸術の記録として、長く伝えられるべきものといえるでしょう。

■滋味豊かなサウンドをそのまま密度の濃い響きとして封じ込めた名録音
 録音セッションはロンドンのウェンブリー・タウン・ホール(ブレント・タウン・ホールとも)で行われました。ロンドンの北西の郊外に位置し1940 年に開館した建物で、録音会場としてはステレオ時代の1950 年代後半から使われるようになり、キングスウェイ・ホール、ウォルサムストウ・タウン・ホール、ヘンリー・ウッド・ホールと並ぶロンドン近郊の録音会場として、需要の高かったロンドンのオーケストラ録音で数多くのセッションが行われました。響きは短めですがオーケストラ全体のパースペクティヴを見通しよく捉え、さらに細部の明晰さも疎かにされないサウンドを確保できるため、ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルによるチャイコフスキー交響曲第4 番、ロヴィツキ/ロンドン響のドヴォルザーク交響曲全集、ドラティおよびマルケヴィチ/ロンドン響によるチャイコフスキー交響曲全集、カール・リヒター/ロンドン・フィルによるヘンデル「メサイア」など名だたるアナログ時代の名盤が制作された会場で、特にフィリップスは1960年代から70年代にかけてコリン・デイヴィス/ロンドン響のベルリオーズ・チクルスやマリナー/アカデミー室内管の一連の録音に多用しています。モントゥー/ロンドン響の4 枚分のフィリップス録音もすべてこの会場で収録されており、モントゥーの創り出す滋味豊かなサウンドが飾り気なくそのまま密度の濃い響きとして詰め込まれています。左右に分けて配置された第1・第2 ヴァイオリンの定位感、中央に位置する木管群の存在感も実に明快で、モントゥーが緻密に整えたバランスが見事に再現されています。CD 化されたのは1994 年で、そのわずか2 年後には日本で企画された24 ビット・デジタル・マスタリング・シリーズの1 枚に選ばれて再発され、今でもコレクターズアイテムとなるほどの人気を獲得。2018 年にはSuper Audio CD ハイブリッド化されており、今回が6 年ぶり2 度目のDSD リマスター、Super Audio CD ハイブリッド化となります。今回のハイブリッド化に当たっては、これまで同様、使用するマスターの選定から、最終的なDSD マスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業をおこないました。特にDSD マスタリングにあたっては、「Esoteric Mastering」を使用。 入念に調整されたESOTERIC の最高級機材Master Sound Discrete DAC とMaster Sound Discrete Clock を投入。またMEXCEL ケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を伸びやかなサウンドでディスク化することができました。


収録曲
ヨハネス・ブラームス
Johannes Brahms

交響曲 第2 番 ニ長調 作品73
Symphony No. 2 in D major, Op. 73
[1] 第1 楽章:Allegro non troppo
[2] 第2 楽章:Adagio non troppo
[3] 第3 楽章:Allegretto grazioso (Quasi andantino) - Presto ma non assai
[4] 第4 楽章:Allegro con spirito

[5] 大学祝典序曲 作品80
Academic Festival Overture, Op. 80

[6] 悲劇的序曲 作品81
Tragic Overture, Op. 81

ロンドン交響楽団
London Symphony Orchestra
指揮:ピエール・モントゥー
Conducted by Pierre Monteux

[録音]1962 年11 月28 日~1962 年12 月1 日、ロンドン、ウェンブリー・タウン・ホール
[初出]1-5: Philips 835 167 AY (1963 年) / 6: Philips 442 547-2(1994 年)
[日本盤初出]1-5: Philips SFL7629(1963 年7 月)/ 6: Philips PHCP24054 (1994 年3 月6 日)

[オリジナル・レコーディング]
[レコーデイング・プロデューサー&バランス・エンジニア]ヴィットリオ・ネグリ

[Super Audio CD プロデューサー] 大間知基彰(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD アソシエイト・プロデューサー] 吉田穣(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD リマスタリング・エンジニア] 東野真哉(エソテリック株式会社)
[Super Audio CD リマスター] 2023 年11 月 エソテリック・マスタリング・センター、「Esoteric Mastering」システム

[解説] 浅里公三 柴田龍一
[企画・販売] エソテリック株式会社
[企画・協力] 東京電化株式会社


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