Fascination 106 [完成品]【即納】 ※メーカー直送

米国ヴィンテージ管と往年のタムラ・トランスを搭載。
2A3pp・12.5W／chで活力が充満し高い鮮度とコクを持つ明晰な音

●コンセプト
　Fascination106は、是枝重治氏が『管球王国』「マイ・ハンディクラフト」記事で発表した、直熱3極管2A3のプッシュプル・パワーアンプです。米国Ken-Rad/GE製ヴィンテージ出力管付属（予備出力管1本も付属）仕様と出力管なし仕様が用意されます。出力トランスと電源トランスは往年のタムラ製作所製を採用。出力管2A3が活きる存在感ある意匠でまとめられています。

●回路と使用パーツ
　回路はウィリアムソン型の構成で、初段とP-K分割型位相反転段にRCA製の高μ管5691を採用。米国ヴィンテージ球の中μ管5692を使ったドライバー段はSRPP回路で、プッシュプル構成の出力管2A3を強力に励振します。出力管は固定バイアス動作。出力端から初段カソードに13.5dBのNFBをかけ、出力は12.5W＋12.5Wです。往年のタムラ製出力トランスF783は3次巻線付きで広帯域。同じくタムラ製のカットコア電源トランスKD-A3は80V/60mAの固定バイアス巻線付きで、余裕のある出力管固定バイアス動作に活かされています。

●音質について
　米国Ken-Rad/GE製2A3を使ったFascination106は、最新の大型モニタースピーカーB＆W801D4と組み合わせた試聴で、克明で艶やかな活力に富む音を聴かせました。瞬発力があり、2A3ならでは味わいと現代的な鮮度感を両立する音が特徴です。参考として出力管を最新の国産タカツキTA2A3に差し替えると淑やかさと明晰さの際立つ表現が得られました。

中央のタムラ製作所製電源トランスを挟んで出力管2A3を左右均等に配置します。写真の2A3はカーボンスートされたKen-Rad製とGE製（中身は同等の真空管）です（「出力管2A3なし仕様」には付属しません）。天板上のフロント側に電源オン／オフスイッチとカソード電流調整用トリマーを装備します。


リアパネル左端に1系統のRCAアンバランス入力端子を装備します。バナナプラグ対応のスピーカー出力端子は4Ω／8Ω／16Ω（青／緑／赤）に独立で対応します。出力トランスは往年のタムラ製作所製F783を搭載します。


シャーシは1.5mm厚ステンレス製で、ヘアライン仕上げの側面部に対して天板は鏡面仕上げです。天板左右の前段管はフロント側が5691、リア側2本が5692。出力管ごとに独立のカソード電流監視メーターとハムバランサーを装備し、写真はカソード電流40mAの適正バイアスを示した状態です。


内部はサブシャーシを活用した立体的な配線が行なわれます。配線材は純銀テフロン線を多用。是枝氏のアンプは1点アース方式が基本で、チャンネルごとに電流帰路を分けてサブシャーシ上のアース集中点に接地しています。