ハイドン:交響曲集 (SACD/CD3枚組) ESSD-90202/04
販売価格11,916円(税込) [54ポイント進呈 ] 商品画像 ![]() これぞハイドン120面相。ピリオド楽器演奏の常識を覆した、ブリュッヘンと18世紀オーケストラの名演、世界初Super Audio CD化。 ■ピリオド楽器によるオーケストラ演奏の常識を覆した指揮者ブリュッヘン フランス・ブリュッヘン(1934-2014)は、1950年代より演奏活動を開始し、リコーダー(ブロックフレーテ)およびフラウトトラヴェルソによる演奏の可能性を格段に広めたオリジナル楽器演奏の草分け的な存在であり、かつその後半生においては指揮者としての才能を花開かせた音楽家でした。レオンハルト、ビルスマ、アーノンクール、シギスヴァルト、ヴィーラント、バルトルドのクイケン兄弟らとともに、第2次世界大戦後オランダを中心にヨーロッパで湧きあがったオリジナル楽器演奏の研究と実践の牽引者の一人であり、ブリュッヘンの卓越した技巧と千変万化する音色は、それまで古めかしいイメージがつきまといがちだったバロック時代の作品のイメージを塗り替え、現代に鮮烈によみがえらすことになりました。ブリュッヘンは1960年代にはテレフンケン・レーベルに、1970年代にはSEONレーベルに数多くの録音を残したのち、1981年にはオリジナル楽器を使用したオーケストラ、18世紀オーケストラを組織して指揮者に転向し、洞察力あふれる演奏で聴衆を魅了してくれました。 ■ブリュッヘンのもとに超一流奏者が馳せ参じた18世紀オーケストラ 「リコーダーのライオン」とまで異名をとったブリュッヘンでしたが、1981年、「もうリコーダーの音楽はたくさんだ!」と、同僚や後輩の優れたピリオド奏者たちに呼びかけて組織したのが18世紀オーケストラでした。「これからは真の傑作にのみ取り組みたい」というブリュッヘンの言葉に、本当に自分が納得する音楽にのみ傾注し深めていきたいという強い意欲が表れています。この時期に登場したピリオド楽器オーケストラの多くは、録音の必要性から組織された団体でしたが、ブリュッヘンの18世紀オーケストラは当初からコンサートでの演奏を眼目に活動しており、コンサートマスターのルシー・ファン・ダール、チェロのヴォウター・メラー、トラヴェルソのコンラート・ヒュンテラー、リッカルド・カンジ、オーボエのクー・エビンゲ、ティンパニのマールテン・ヴァン・デア・ヴァルクらピリオド奏者の精鋭による、ほぼ固定したメンバーで毎年演奏経験を積み重ね、鮮度と深みのあるサウンドを作り出したのです(日本からも有田正広、鈴木秀美、若松夏美らが参加)。1シーズンに2回ほどのツアーを活動の軸に据え、世界各国からブリュッヘンの音楽を慕って集まってくる音楽家たちとじっくりとリハーサルに取り組んだ上で、ツアーで同一プログラムを繰り返し演奏し、日々その精度を高めていくという方法がとられていました。 ■濃密かつユーモアあふれるハイドン 18世紀オーケストラという名前の通り、演奏レパートリーは「18世紀の傑作に限定する」と言明し、バッハを筆頭とするバロック音楽、リュリやラモーのオペラからの組曲などフランス・バロックの管弦楽曲と並び、演奏活動の中心に据えたのが、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどの古典派の音楽でした。中でもハイドンは、1984年の第90番を皮切りに「ロンドン交響曲集」、「パリ交響曲集」を網羅し、最終的には1998年までに第82番以降の22曲の交響曲と協奏交響曲、「天地創造」を録音として残したのでした。今回の3枚組はその中からニックネームの付いた作品を中心に8曲が選ばれています。通常のオーケストラのコンサートだと前座程度にしか扱われないハイドンの交響曲ですが、ブリュッヘンと18世紀オーケストラによる演奏では、それこそプログラムのメインに据えることで作品と真剣に向き合い、生き生きとした推進力でハイドンが盛り込んだ機知やユーモアを巧みに表出するのみならず、緩徐楽章では濃密で奥深いファンタジーさえも感じさせてくれるのです。 ■最高の状態でのSuper Audio CDハイブリッド化が実現 ブリュッヘンと18世紀オーケストラの旧フィリップス録音は、ほとんどがそれぞれのツアーの最後に、オランダのユトレヒト(アムステルダムから南東に電車で約30分の場所で、古楽音楽祭でも知られています)にあるフレーデンブルフ音楽センターのメイン・ホールで行われるコンサートのライヴという形で行われていました(一部アムステルダム・コンセルトヘボウやナイメヘンのコンサートホールも使用)。ここは客席1700を擁する珍しい正八角形のホールで、綿密なリハーサルを重ねた上でツアーを行い、ツアーで繰り返し演奏して演奏内容を深めたところで、理想的な音響を誇る会場で録音するという流れが取られていました(この建物全体は2014年に全面的に建て替えられ、「ティヴォリ・フレーデンブルフ」と改称されたものの大ホールは現在でも旧音楽センターのメイン・ホールをそのまま継承しています)。録音のプロデュースを担っていたのは、60年代から独EMIのプロデューサーとして活躍し、70年代から80年代にかけてはREFLEXEレーベルでピリオド楽器演奏による画期的名盤を次々に世に送り出し、ピリオド楽器演奏のムーヴメントを世界的なものにした立役者の一人、ゲルト・ベルクで、18世紀オーケストラのマネージャーであるシューヴェルト・フェルスターもレパートリーの選択や編集の面で録音に深く関わっています。オーケストラ全体のサウンドを、豊かで自然なホールの響きと共に捉えながら、オーケストラの各パート(特に木管、トランペット、ティンパニ)の個性的なソノリティを埋もれさせない手腕はヴェテランならではといえるでしょう。もともとがデジタル録音であり発売以来特にリマスターが施されたことはなかったため、今回は初めてのDSDリマスタリングとなります。今回のSuper Audio CDハイブリッド化に当たっては、これまで同様、使用するマスターテープの選定から、最終的なDSDマスタリングの行程に至るまで、妥協を排した作業が行われています。特にDSDマスタリングにあたっては、DAコンバーターとルビジウムクロックジェネレーターに、入念に調整されたESOTERICの最高級機材を投入、またMEXCELケーブルを惜しげもなく使用することで、オリジナル・マスターの持つ情報を余すところなくディスク化することができました。 ■「実に見事に整った即興曲集」 「ブリュッヘンが指揮するハイドンからは、作曲者が音楽に込めた多彩な要素全てが素晴らしく血肉化して聞こえる。神秘さ、溌溂さ、悲哀、驚き、憧れ、勇壮さ、ユーモア、威厳、軽妙さ、落ち着き、意外性などなど「なんと様々な情趣がハイドンの音楽には盛り込まれていたことか!」と改めて感動し、「もっともっとハイドンを聴きたい!」という気持ちにさせる。」 「ブリュッヘンは、いわゆるオリジナル楽器を使う40人余りのオーケストラで、ハイドンの世界に独特の和と安らぎを持ち込んだ。きらびやかな効果を狙わないその演奏は、清純にして簡潔。それでいて音楽的に魅力があり、聴き手に正面から誠実に迫ってくる。きっちりと組み上げてある渋いハイドン。」 (『ONTOMO MOOK クラシック名盤大全 交響曲編』、1998年) 「ブリュッヘンの演奏からは、作品と演奏に真摯に取り組み姿勢が熱く伝わってくる。われわれはハイドンの交響曲が多彩な魅力を秘めた傑作であることを、実際に音で確信することができるのである。オリジナル楽器ならではの多彩な響きにより精妙な表現が素晴らしく、ハイドンの交響曲の壮麗さや溌溂とした生命力など、すべてに非常に斬新な魅力が輝いている名演である。」 (『クラシック不滅の名盤 800』、1997年) 「どの交響曲もその中に潜むハイドンの快活な精神を見事に浮き彫りにし、何よりも聴く者の心を引きつけて放さない魅力を持った演奏ばかりである。18世紀オーケストラの古楽としての響きも古色蒼然としたものではなく、むしろこの時代の作品にうってつけの響きの軽さや多彩な音色でもって曲それぞれの持ち味を自在に引き出していく。この演奏を聴いていると、ハイドンの巧みな技の虜になってしまうだろう。」 (『クラシック不滅の名盤 1000』、2007年) 「パターン化された表現に陥りがちなハイドンの仕掛けを、無尽蔵にして卓越したアイデアで表現し、新鮮で快い響きを与えてくれている。同時にそれは 18 世紀オーケストラのふくよかなサウンドと相俟って、人間的な温もりとユーモアに富んだハイドン像を描き出している。どの曲もライヴに生き生きとした感興に満ちている。」 (『最新版 クラシック名盤大全 交響曲・管弦楽曲編[上]』、2015年) [収録曲] ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)交響曲集 DISC 1 交響曲 第88番 ト長調 Hob.I:88 《V字》 1 第1楽章 アダージョーアレグロ 2 第2楽章 ラルゴ 3 第3楽章 メヌエット(アレグレット) 4 第4楽章 フィナーレ(アレグロ・コン・スピーリ ト) 交響曲 第92番 ト長調 Hob.I:92 《オックスフォード》 5 第1楽章 アダージョーアレグロ・スピリトーソ 6 第2楽章 アダージョ 7 第3楽章 メヌエット(アレグレット) 8 第4楽章 プレスト 交響曲 第 94 番 ト長調 Hob.I:94 《驚愕》 9 第1楽章 アダージョーヴィヴァーチェ・アッサイ 10 第2楽章 アンダンテ 11 第3楽章 メヌエット:アレグロ・モルト 12 第4楽章 フィナーレ:アレグロ・ディ・モルト DISC 2 交響曲 第96番 ニ長調 Hob.I:96 《奇跡》 1 第1楽章 アダージョーアレグロ 2 第2楽章 アンダンテ 3 第3楽章 メヌエット:アレグレット 4 第4楽章 フィナーレ:ヴィヴァーチェ・アッサイ 交響曲 第100番 ト長調 Hob.I:100 《軍隊》 5 第1楽章 アダージョーアレグロ 6 第2楽章 アレグレット 7 第3楽章 メヌエット(モデラート) 8 第4楽章 フィナーレ(プレスト) 交響曲 第101番 ニ長調 Hob.I:101 《時計》 9 第1楽章 アダージョープレスト 10 第2楽章 アンダンテ 11 第3楽章 メヌエット(アレグレット)−トリオ 12 第4楽章 フィナーレ(ヴィヴァーチェ) DISC 3 交響曲 第 103 番 変ホ長調 Hob.I:103 《太鼓連打》 1 第1楽章 アダージョーアレグロ・コン・スピーリト 2 第2楽章 アンダンテ・ピウ・トスト・アレグレット 3 第3楽章 メヌエットートリオ 4 第4楽章 フィナーレ(アレグロ・コン・スピーリト) 交響曲 第 104 番 ニ長調 Hob.I:104 《ロンドン》 5 第1楽章 アダージョーアレグロ 6 第2楽章 アンダンテ 7 第3楽章 メヌエット(アレグロ) 8 第4楽章 フィナーレ(スピリトーソ) フランス・ブリュッヘン(指揮) 18世紀オーケストラ [録音] 1988年11月(第88番)、1995年1月29日〜31日(第92番)、1993年5月(第96番)、1990年6月(第100番)、1990年10月(第104番)、ユトレヒト、フレーデンブルフ音楽センター 1992年3月(第94番)、ユトレヒト、フレーデンブルフ音楽センターおよびナイメヘン、コンサートホール 1987年3月(第101番)、アムステルダム、コンセルトヘボウ 1987年11月(第103番)、ナイメヘン、コンサートホール [初出] 第88番:4220222(1988年/第86番とのカップリング) 第92番:4540492(1996年/第91番とのカップリング) 第94番・第 96 番:4381522(1995年) 第100番・第104番:4340962(1992年) 第101番・第104番:4222402(1988年) [日本盤初出] 第88番:PCD-25(1989年12月25日) 第92番:PHCP5343(1996年1月25日) 第94番・第96番:PHCP-5314(1995年5月25日) 第100番・第104番:PHCP-5101(1993年1月25日) 第101番・第103番:32CD850(1989年1月25日) [オリジナル・レコーディング] [A&R プロダクション]シューヴェルト・フェルスター(第88番・第100番・第101番・第103番・第104番)、アンソニー・フロイド(第94番・第96番) [レコーディング・プロデューサー]ゲルト・ベルク(第88番・第92番・第101番・第103番)、シューヴェルト・フェルスター(第94番・第96番)、ゲルト・ベルク、ハルトヴィヒ・パウルセン(第100番・第104番) [レコーディング・スーパーヴァイザー]ゲルト・ベルク(第94番・第96番) [バランス・エンジニア/レコーディング・エンジニア]ディック・ヴァン・シュッペン、エヴァ・ブランケスポール [エディター]ディック・ヴァン・シュッペン、エヴァ・ブランケスポール、シューヴェルト・フェルスター [Super Audio CD プロデューサー]大間知基彰(エソテリック株式会社) [Super Audio CD リマスタリング・エンジニア]杉本一家(JVC マスタリングセンター(代官山スタジオ) [Super Audio CD オーサリング]藤田厚夫(有限会社エフ) [解説]諸石幸生 増田良介 [企画・販売]エソテリック株式会社 [企画・協力]東京電化株式会社 ■レーベル:DECCA ■音源提供:ユニバーサルミュージック合同会社 ■ジャンル:交響曲 □DSD MASTERING/Super Audio CD層:2チャンネル・ステレオ[マルチなし] □美麗豪華・紙製デジパック・パッケージ使用 おすすめ商品
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