Fascination109 [管球式フォノイコライザーアンプ]（完成品）【受注生産・通常納期約90日】※メーカー直送

往年のシュアー半導体式に触発された真空管フォノEQ。
スイング感に満ちた音でヴォーカルも鮮度高く表現

●コンセプト
　Fascination109は、是枝重治氏が『管球王国』109号「マイ・ハンディクラフト」記事で発表した、管球式フォノイコライザーアンプです。往年の半導体式フォノイコライザーアンプ、シュアーM61に触発され、レコード再生の原点にフォーカスして真空管増幅で設計されました。電源トランスは別筐体に収めて、コンパクトな独立2筐体構成でまとめられています。

●回路と使用パーツ
　往年のプリアンプ、マッキントッシュC22やダイナコPAS3に範を取り、2段増幅＋カソードフォロアーのNF型イコライザー回路を構成し、2段目カソードから初段カソードへの正帰還によって闊達な音を目指しています。真空管はEMT製フォノイコライザーの保守部品である双3極管ECC803Sの選別球を採用し、各1/2ユニットでL／Rchを構成します。RIAAカーブ・ポジションに加え、往年のドイツ・アルヒーフ盤などで有効な10kHzで2dBの高域減衰ポジションを装備しています。30Hz以下の不要な低音域はフィルター回路で急峻にカットする設計です。本体部シャーシは内部の錫メッキを施した1.2t鉄板とステンレスによる2重構造で、外側は放熱に有利なアルミニウムに変更されます。

●音質について
　Fascination109はスイング感に満ちたアナログサウンドを聴かせます。高感度でS／Nに優れ、是枝氏はMM型に加えて高出力MC型カートリッジの組合せも最適と述べています。現代のMM型カートリッジの組み合わせた試聴では、中低域の量感を豊かに表し、鉄琴のきらびやかさ、ヴォーカルの声色の変化を鮮度高く描きました。左右のセパレーションも優秀で音は安定感に富み、趣味性豊かなレコード再生が愉しめる管球式フォノイコライザーです。

本体フロントパネル中央のノブで、RIAAカーブ・ポジションと、往年のドイツ・アルヒーフ盤などで有効な10kHzで2dBの高域減衰ポジションの切替えが可能です。


本体部のリアに入出力各1系統のRCAアンバランス端子とアース端子を装備します。下部のケーブルは別筐体とした電源トランス＋スイッチング電源部との接続用です。


底板を外した本体部内部です。真空管は双3極管ECC803Sの選別球が3本使われ、フロント側からリア側に2段増幅＋カソードフォロアーの順に配置されています。管頂部にゴムブッシュを挟んで下向きにマウントされています。


電源部の内部です。トロイダル型電源トランス3基とヒーター電圧用の電源ユニットが収められ、平滑回路にMOS FETを採用するB電源回路は本体部に構成されます。