山中湖「Symphony Hall」 （パワーアンプ） [完成品] 【受注生産品・通常納期約90日】 ※メーカー直送

欧州直熱管KR製PX25の魅力を交流点火で引き出す。
厚みのある音でしっとりしたヴォーカルが聴ける

●コンセプト
　真空管アンプブランド「カトレア」を主宰する小池儀治氏は直熱管シングルを基本に独自の個性を持つアンプを送り出す設計者です。「山中湖」は小池氏が「マイ・ハンディクラフト」向けに立ち上げた専用ブランド。「Symphony Hall」は欧州管PX25の魅力を引き出し、響きに優れた音楽再生を目指して仕上げたパワーアンプです。出力管PX25は現行生産管のチェコKR製を採用しています。

●使用パーツ
　増幅回路はシンプルなCR結合の2段増幅で、出力は6W＋6Wです。ドライバー管には欧州管PX25とのマッチングの妙を狙って米国ヴィンテージ管6C8Gを組み合わせて音作りをしています。回路の大きな特徴が出力管PX25のフィラメント交流点火です。特許を取得したアクティヴ型のハムノイズキャンセル回路を使い、変化するフィラメントハム成分に追従して50Hzでも60Hzでも無調整でハムキャンセルが可能です。

　トランス類はすべて国産のゼネラルトランス製で、出力トランスとチョークコイルはオリエント・コア、電源トランスはハイライト・コア品を採用し音質をチューニングしています。銅パイプを使い左右chを独立させたアースラインや、増幅回路のカップリングに使う松下電器製のQF箔巻きコンデンサーなど、内部配線やパーツ選択にも小池氏の製作ノウハウが凝縮されています。ウッドのシャーシ枠は世界3大銘木のひとつ鉄刀木（タガヤサン）のチークオイル仕上げです。

●音質について
　「Symphony Hall」は交流点火方式が生きて、重心が低く厚みのある音を聴かせます。PX25の魅力を引き出した緻密さと艶やかさが表れ、ヴォーカル再生はしっとりとした雰囲気を帯びます。ヴァイオリン協奏曲は、S／N感に優れた本機の持ち味が発揮されて欧州管の魅力が表れた再現を愉しませました。

真空管は中央の2本が出力管のチェコKR製の現行管PX25、左右のトップグリッド球が前段管のヴィンテージ管RCA製6C8G、中央の奥が整流管5U4GBでWestinghouse製ヴィンテージ管を採用します。

トップビュー。シャーシは2mm厚アルミを2枚重ねで強度を確保します。スピーカー出力端子は中央がコモン、外側に向かって8Ωと16Ωの独立端子を装備します。

内部写真下が増幅部でサブシャーシを採用し、アルミのアングルを組み合わせて強度を高めています。良好なセパレーションを意図した左右対称レイアウトが見て取れます。特許取得の交流点火回路は基板に構成しています。